排水処理の必要性及び活性汚泥法の発展について

排水の汚染度を示す指標には大腸菌群数が挙げられます。下水の大腸菌群数を測定する方法は下水道法施行令によって定められており、デソキシコール酸の寒天培地で大腸菌群を培養します。デソキシコール酸の培地には大腸菌群以外の細菌が増殖しないという利点があるため大腸菌群の定量に用いられるのです。よく大腸菌と大腸菌群という言葉を混同して使用する方もいらっしゃいますが、大腸菌は人間や動物の腸内に生息する腸内細菌を指すのに対し、大腸菌群は大腸菌以外のクラブシエラ、プロテウス属などの菌も含むため定義が異なります。したがって、下水に大量の大腸菌群が検出されたからといって下水が汚染されていると即断することはできません。

下水処理場ではこういった大腸菌群を処理しなければいけません。現在の日本の排水処理装置の主流は活性汚泥法によるものです。

活性汚泥には多くの原生動物や細菌が棲みついており、汚水中の有機物を分解・消化する役割を果たします。1910年代に考案された活性汚泥法は年々改良され続け、今では回分式活性汚泥法や連続式活性汚泥法などの排水処理の方法が開発されています。回分式活性汚泥法では、曝気槽と沈殿槽を一つの水槽でまとめて行うために、一定時間曝気槽で排水を処理した後に、一時的に曝気を停止させて汚水から活性汚泥法を沈殿させるための時間を確保します。ここで汚泥が沈殿させてから処理水を流すのです。これに対し、連続式活性汚泥法では、曝気槽から沈殿槽に汚泥と処理水が混合して流れてくるため、汚泥のみを沈殿させる必要があります。ここで沈殿した汚泥はリサイクルされて元の曝気槽に戻るものと、余剰汚泥として排出されるものに分かれます。活性汚泥はリサイクルしたほうが効率は良いとされ、発生する余剰汚泥を少なくするための工夫がされ、今では長時間曝気法や酸化溝といった方法が開発されてきました。しかし長時間曝気法は電気代がかかる上にそこまで発生する余剰汚泥を少なくするのに役立たず多くの問題点を抱えています。酸化溝法はプールのような溝の入った面積が大きめの曝気槽を用意し、そこで曝気プールの中をグルグルと汚水を巡回させて曝気させる方法で維持が簡単ですが長時間曝気を行うため活性汚泥の効率が落ちていくという弱点があります。

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